永代供養墓について
永代供養墓とは
お寺や霊園側が建墓し、家族に代わって供養や管理といった墓守の役割を担うお墓のこと。
いつでも自由にお参りが可能で、たとえお参りにいけなくなったとしても無縁仏・無縁墓になる心配がありません。
承継を前提としていないお墓なので、「お墓を継いでくれる人がいない」という不安を抱える方だけでなく、
「お墓のことで家族に面倒や金銭的負担をかけたくない」という方にも安心してご利用いただけます。 皆がお墓参り
して皆で供養する、まさにお墓を皆で共有して守っていく「シェア墓」といえます。
永代供養墓の種類〈納骨方法〉
永代供養墓の造りや納骨方法にはさまざまな形式がありますが、基本的な構造は共通しています。納骨方法は、
遺骨を散骨する「合祀」と、骨壺(あるいは別の納骨容器)を納める「お骨安置」の2種類があり、
お骨安置の場合は7~33回忌後に合祀するところが多いです。また、一般的な永代供養墓では地面より上の部分が
「お骨安置」、地面から下の部分が「合祀」のスペースになっています。
永代供養墓の正面には、お参りの際に手を合わせる参拝スペースが設けられ、花立てや焼香用の香炉などが置かれて
います。故人名(本名や戒名)は、正面もしくは側面の墓誌板に刻字するタイプがほとんどですが、
刻字したプレートを貼ったり、墓籍帳などに記載して管理するところもあります。
永代供養墓にはこんなメリットがあります
◆ 無縁仏・無縁墓になる心配がない
◆ 墓石代などの建墓費用がかからない(個別墓型は除く)
◆ 一体(一霊、 一人)ごとに申し込みが可能
◆ 費用が一般のお墓と比べて安い
◆ 生前に申し込みができる
◆ 一式料金を納めれば、年間管理費やお布施などの費用がかからない
※生前申し込みの場合は年会費、年間管理費を納めるケースもあるので要確認。
◆ 宗教・宗派を問わない
◆ 檀家になる必要がない
永代供養墓はこんな方におすすめです
◆ お墓を継ぐ人がいない
◆ お墓のことで家族に負担を残したくない
◆ 身寄りや縁故者はいるが、お墓のことを頼めない(頼りたくない)
◆ 単身生活なので、自分ひとりのお墓を求めている
◆ お墓にあまりお金をかけたくない(かけられない)
◆ 生前に自分の納骨先を決めておきたい
◆ 遠方のお墓を墓じまいしたい
◆ 今のお寺から離れたい
◆ 旧来的なお墓のあり方にこだわりたくない
永代供養墓選びは人選び
永代供養墓選びは、管理を任せる「人」選びといっても過言ではありません。
インターネットで調べるのは構いませんが、申し込む前にかならず現地へ足を運ぶことが大切です。
「インターネットの情報だけで現地へ行ってみたら、お参りする人も少なく寂しい光景だった」という相談も
ありました。住職などお墓の管理者と対話して、永代供養に対する姿勢を確認しましょう。
そして、ご検討されている一般の方は"分からなくて当たり前"ですから、分からないことは遠慮なく聞いてください。
とくに費用のことは最初に確認しておくと安心です。不明点を率直に質問することで対応姿勢が見えてきます。
質問に対して面倒くさがったり偉ぶるような管理者であれば、候補から外したほうがいいでしょう。
選ぶ時のチェックポイント
永代供養墓を選ぶにあたって確認しておきたい17の項目を以下にチェックリストにしました。
いずれも意志決定前に確認しましょう。
- 一式料金とその内訳
「永代供養料」「納骨供養料」「刻字料」を含む一式料金のほかに、納骨時などに別途かかる費用がないか確認しましょう。
実際、納骨時に数万円の「お花代」を請求されたケースもあります。
また刻字は墓誌、プレート等どのようにされるのか、刻字内容は故人名だけなのかなども確認しましょう。 - 年間管理費の有無
本来、永代供養墓であれば年間管理費はかかりません。ただし、まれに生前申込の場合、年間管理費を徴収するところもあります。
- 実際に現場を見る
立地や造りのよさに惑わされず、きちんと手入れが行き届いているか自分の目で確かめましょう。
手入れが悪かったり、お寺で募集を業者任せにしている場合は、根本的な姿勢に問題があるかもしれません。 - 参拝スペース
参拝時間や出入りのしやすさ、空間の広さなど、参拝スペースへの配慮にも参拝者重視かどうかの姿勢が表れます。
心安らかに手を合わせられる環境が大切です。 - 納骨方法
「お骨安置」と「合祀」から選べるのか、お骨安置の場合は一定期間後合祀か、その期間も確認しておくべきです。
そして納骨する(お骨安置、合祀)スペースを口答ではなくお墓で確認しましょう。お骨を安置する際、容器やサイズが変わる可能性もあるので確認、さらに現在の骨壺のまま持参して問題ないか聞いておきましょう。
また、納骨時に粉骨する場合もありますので、そのことも確認しましょう。 - 納骨法要
納骨法要は墓前で行われることが多いため、参列者が多い場合は事前に確認・相談しましょう。納骨法要自体の有無やお布施の金額についても聞くのを忘れずに。また、四十九日、一回忌、三回忌の法要を併せてお願いする場合は、別途お布施がかかる場合もあるので事前確認が重要です。
- 納骨時の分骨
分骨したお骨を別のところに納骨する際、分骨証明書が必要な場合もあります。
証明書を発行してもらえるのか、費用とあわせて確認しましょう。 - 本名のままで納骨可能か
戒名・法名がない、あるいは他宗派でつけた戒名がある場合でも納骨可能か聞いておきましょう。
また、本名の場合は希望すれば戒名をつけてもらえるのか、その場合の費用も含めて確認を。 - 合同法要
お盆やお彼岸に合同法要を行うところがあります。開催の有無や時期、費用などについて確認しましょう。
- 夫婦など複数同時に申し込む場合の割引制度
基本は一体ずつの受け入れとなりますが、複数申し込みの際に割引を受けられるところもあります。
血縁者以外のお骨を納めたい場合も確認しておくと安心です。 - 改葬手続き
役所によっては改葬先の「受入許可書」が必要なので、事前に用意してもらえるのか確認しておきましょう。
- 必須条件の確認
「○○の会」といった強制加入が求められる会等の有無やその費用など、一式料金以外の必須条件について確認をしましょう。
- 宗教・宗派不問であるか
- 分骨の受け入れ可否
- 生前申し込みの可否
- 位牌等のお炊き上げ可否と費用
- 送骨していいか
人手も車もなく自分自身でお骨を持参できない場合は、事前に送骨していいか承諾を得ておきましょう。